新・名取寄席part9@文化会館

名取老女
 紀州熊野に鎮座する紀伊熊野三所権現。
その紀州の地と同様の配置で勧請されている名取の
熊野三所
 熊野那智神社 ー 熊野那智大社
 熊野本宮社  ー 熊野本宮大社
 熊野神社   ー 熊野速玉大社
 名取川    ー 熊野川
 仙台湾    ー 熊野灘
 高舘丘陵   ー 熊野連山
 この勧請が実現できたのは「名取老女」によるものと
伝えられています。

 今回の名取寄席。時代は平安時代。名取の地に伝わる
「名取老女」のお話です。
テーマは「能と講談で紡ぐ 名取ノ老女」

第1部 鼎談 名取老女
 まずは、名取老女をめぐるお話。

 右から、名取の熊野那智神社宮司、井上幸太郎さん、
能楽師、鈴木圭吾さん、 講談師、神田織音さん、
そして進行として伝統芸能企画制作オフィス古典空間の
小野木豊昭さん。


 名取老女の講座の開催や、地元の方と協力して、神社
境内で『那智てづくりマルシェ』を開催するなど、那智
神社の良さを知ってもらえるように、そして、神社に足
を運んでいただけるよう活動されています。


 観世流シテ方能楽師。長らく上演が途絶えていた名取
老女の能作品は、復曲能「名取ノ老女」として平成28
年に公演されました。その時から深い関りをも持たれて
おり、今回もその魅力を伝えるべくおいで頂きました。


 講談師。2011年真打に昇進。新作講談に積極的
に取り組む他、落語会や地域寄席をはじめ、学校公演、
ラジオ出演、企業のPRイベント等、講談という話芸
を活かした様々な活動を全国各地で行っておられます。

 名取、名取老女のお話をそれぞれのお立場からお話
し頂き、盛り上がってきたところで第1部は終了です。

第2部 復曲能「名取ノ老女」
 能楽についてのレクチャーと復曲能「名取ノ老女」に
ついての解説です。


 実際の映像を交えながら、お話は進みます。

 熊野権現の意向を名取ノ老女に伝える、護法善神の
仕舞を、坂 真太郎さんとご一緒に、披露していただ
きました。

第3部 新作講談「名取ノ老女」
 名取ノ老女の祈りと希望、そして熱き想い・・・。
今回の公演のために書き下ろされた新作の講談です!!

 なぜ、熊野の地から遠い遠いこの名取の地の巫女が
なんどもなんども熊野の地を目指したのか。


 八咫烏が見守り、やがて名取の地には・・・

 こうして今回の名取寄席は幕を閉じました。
今まで知らなかった 名取ノ老女が・・・
さらに魅力を増した 名取ノ老女が・・・


 道遠し 年もやうやう老いにけり 思ひおこせよ我も忘れじ