新・名取寄席part10@文化会館

10周年記念公演
 語りの芸のコラボや様々な分野の皆さんと
の共演を重ねてきた「新・名取寄席」。お陰
様で10周年を迎えることができました。
 今回は、昨年好評を頂いた名取の地で語り
継がれている “名取ノ老女” に再びスポッ
トを当て、900年前に想いを馳せて頂きま
した。

鼎談
 伝統芸能企画制作オフィス古典空間、
小野木豊昭(おのぎとよあき)さん 

 名取市歴史民俗資料館館長
鴇崎哲也(ときざきてつや)さん

 
 熊野那智神社 宮司
井上幸太郎(いのうえこうたろう)さん

 3人の皆さんで “名取ノ老女”は、この
名取の地で何をし、何故伝説となったのか・・・

楽しく紐解いていただきスタートです。

落語「三枚起請願」
 八代目柳亭小燕枝(りゅうていこえんし)さん
 2022年に真打に昇進し、「八代目柳亭
小燕枝」を襲名。落語協会所属。
出囃子「春藤」。平成30年度NHK新人落語
大賞、笑点特大号若手大喜利メンバーほか。
 
 「年季があけたら夫婦になろう」と約束
を書いた起請文・・・書いたのは新吉原の
遊女。ひょんな流れで自慢げにそれを見せ
たら、その起請文を町内の若いもん3人が
同時に持っていることが分かり・・・

 夜明け方に烏(からす)が「カーーー」

熊野堂神楽
 出雲の流れをくむ岩戸神楽は、仙台周辺
および県南部に分布する神楽のルーツとさ
れています。
 その中でも、熊野堂神楽を舞うのは、
社家(しゃけ)と言われる代々神社の奉祀を
世襲してきた地域の家々に限られ、家長や
家督が大切にし、現代まで伝承してきまし
た・・・。

神招之舞(かみまねきのまい



 3人のお囃子に合わせ・・・

 天照大神が天の岩戸にお隠れになった時、
この二柱の神が岩戸の前で舞い始め、大神
を招き出すのに舞を続ける様子が伺われま
す。

三剣之舞みつるぎのまい

 三柱の神が各々剣を持ち舞うことで、荒
ぶる神等を剣の偉大な力を見せつけ従わせ
る様子が伺われます。

 県指定の無形民俗文化財に指定されて
います。
 熊野神社の春例祭では、神楽の奉納後、
神話を題材にした5曲の舞楽が拝殿正面
の池に、臨時で設けられる水上の舞台で
披露されます。

講談と神楽笛による「名取ノ老女」
 講談師・田辺銀冶さんが今回の「名取
寄席」のために講談化し、篠笛・神楽笛
奏者の秋吉沙羅さんが物語を彩ります。

田辺銀冶(たなべぎんや)さん

 幼少より“髭の講談師”田辺一鶴に入門。
高校卒業後、数々の海外遊学を敢行し、
師没後、母・田辺鶴瑛門下へ。2021年、
真打昇進。
 古典講談と共に、数々の新作講談を口
演。代表作は「東京オリンピック」や、
自身のオリジナル「講談・古事記」等。

秋吉沙羅(あきよしさら)さん

 神楽団員の父親の影響で5歳で神楽笛、
19歳で篠笛を独学で始め、現在、苅屋
形神楽団所属。神楽競演大会楽の部にて
数々の賞を受賞。
 オリジナルアルバム「龍の目覚め」
「謡ーUTAIー」等全国リリース。伊勢
神宮公式HP音楽演奏。テレビ、映画、
ゲームの演奏、海外公演も多数。


「名取の地に、信心深い巫女がおり・・・」
笛の音に誘われ、会場は900年前にタイム
スリップしました・・・

 
 ホワイエには、この10年の歩みのポスター
を展示しました。

 「新・名取寄席」今後もご期待下さい。